ゆきむらです。
高山病にかかったらどうすればよいのか教えて?とよく聞かれます。最近は富士山登山が老若男女から注目されてきているらしいです。小学校高学年のお子様を連れて登ってきたとかの話も聞くようになりました。
そうなると、富士山で高山病にかかったらどうしよう?と考えているのでしょう。正解です!高山病は体力があるからかからないといったものではなく、大きくは体質に依存しているのと、ヒトは3000mを超えると高山病になる可能性があるというものだからです。
高山病の症状は、足取りが重い、頭が痛い、気持ち悪い、めまいがする、吐き気など色々な症状があります。対処両方として酸素缶を一応持っておこうというヒトが多いですね。血中酸素濃度(spO2)が80%をきると症状が出てくるようです。その血中酸素濃度を酸素缶を使ってあげて改善しようということなんですが、これ一時的には回復できますが、抜本的には解決していないんです。
さてどうするか?2つ方法があります。
1.標高を100mくらい落としてゆっくり休む。
小さなお子さんや体力の無い方にはコレをお勧めします。動けないほどになる前に手を打っておきたいところですが、ちょっと無理という場合に酸素缶を使った上で標高を落とします。(10分下るだけでも大分違います)
2.耐えながら100mくらい標高を上げ、その標高で心拍数を少し上げてから元の位置に戻る。
登山家がやっている高度順応と同じことですね。ただこれ、とても辛いです。だって頭痛いのにさらに辛いところに行けってことですよ。ただ、戻ってきたときにはすっきりしています。実際、ゆきむらが5500mの標高で吐き気を感じていたときにがんばって標高あげて帰ってきたら治ったという経験があります。荒治療なのでお勧めしにくいです。
そして、逆に絶対やってはいけないことが1つ。
寝てはだめ!!
体調が悪いときは横になってゆっくり休むというのが一般的な考えなのですが、高山病のときにはこれは該当しません。というのも、寝ることで心拍数が落ちて血中酸素濃度がさらに低くなって悪化してしまいます。体を起こしてゆっくりと大きく呼吸することを意識して、体の疲れを取ることに専念しましょう。もちろんこのとき酸素缶を吸っているのもひとつの改善方法ですが、少しでもかまわないので標高を落として休憩するのが正しい判断なのです。
特に、子供を連れて行った場合、「お父さん気持ち悪いよ。」なんていわれたら、がんばれ!ではなく、標高を下げましょう。
富士山に登る際にはちょっと豆知識として覚えておいていただくと、安心して行動できるかもしれないですね。もちろん、そもそも高山病にならないのがベストなので、リスク回避のために、ゆっくり登るのが一番です。